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NEON GENESIS EVANGELION 足音は未だ遠く [ A-PART ] |
第3新東京市立第1中学校。職員室。 「おっはよぉございまぁす!!」 やたらと元気のいい挨拶に、その場にいた職員がいっせいに振り返る。額にうっすらと汗を浮かべ、透き通るような白い肌をほんのりと染めた少女が立っていた。ここまで走ってきたためか、少し息が荒い。 「本日からこちらにお世話になります、綾波レイです! 加持リョウジ先生はいらっしゃいますかぁ!?」 職員全員、まじまじとレイを見詰めるだけで、返事がない。 やれやれ。心の中で小さく嘆息する。いつものこと、いつものこと。そう言い聞かせて、もう一度中の教師たちへ問いかける。 「あのぉ。加持先生は?」 ひそひそと交わされる会話はあるが、レイの質問へ答える声はない。仕方がないので加持を探すために中へ入ろうとしたとき、背後からかけられる声があった。
「あら、レイじゃない。遅いわよ」 振り返れば、髪を金髪に染めた白衣の女性が立っている。
「あぁ! リツコさん!」 てへっと舌を出す仕草が可愛らしい。 「加持先生はまだ来てないわ。いらっしゃい」 リツコは、レイを手招きすると、先に立って職員室の中へ入って行った。 「失礼しまぁす」 そう言って、すたすたとリツコの後をついていく。他の教師たちは、しばし呆気に取られたように二人を見ていてが、やがて、授業の準備や同僚との談笑に戻っていった。
「なにぃ!? で、見えたんか?」 同2年A組の教室。時刻は8時25分。結局、遅刻することなくシンジは学校にたどり着いていた。
「くぁ~っ! ラッキーなやっちゃなぁ!」 背後からじとっと睨んでいる視線に気づきもせず、シンジは、友人の鈴原トウジ、相田ケンスケに登校中の出来事を話している。
「う~ん。このへんじゃ、見たことない制服だったなぁ」 だったらいいなという気持ち半分、だったらどう顔を会わせればいいんだという気持ち半分でシンジはちょっと顔を赤くする。 「センセ、何照れてんねん」 トウジがにやにや笑いながらシンジの肩に腕を回す。反対側からケンスケが無言でやはり腕を回す。
「お前には惣流がおるやろ」 トウジとケンスケの声が絶妙のタイミングでハモる。 「聞いたか、ケンスケ?」「ああ、もちろん」 「なんぼ惣流の暴力に打ちひしがれる日々が長かったからゆうて」 「一声聞いただけで恋に落ちるなんて」 「なんぼなんでも」 「「イヤ~ンな感じぃ」」 「な、なんでそんな風になるんだよ!」 シンジは顔を真っ赤にして抗議するが、そんなところがからかわれる隙になっているということがちっともわかってない。 「まあわからんでもないけどな。なんせ惣流ゆうたら……いたたたた!」 トウジがいきなり悲鳴を上げる。見ると、少しばかりソバカスの残るお下げの女の子がトウジの耳をつねりあげていた。
「鈴原! 何馬鹿なこと言ってるのよ! それより週番でしょ! 花瓶のお水早く変えてよ!」 トウジは、シンジとケンスケが無言で見送る中、そのままずるずるとイインチョと呼ばれた少女に引っ張られて教室を出ていってしまった。 「トウジって……尻に敷かれるタイプなんだな……」 シンジがこそっと呟いた言葉を、さりげなく全身全霊で聞き耳を立てていた幼馴染の少女が聞き逃すはずもなかった。 「あんたもでしょ」 ほんと、男ってどうしようもないわね……呆れたようにため息をつくアスカの髪をそよ風がなぶるように触れていった。 レイは喋りつづけている。初めて見た第3新東京市の印象に始まり、初めて食べた駅そばで天ぷらのおまけをしてもらったこと、第3新東京名物というので買ってみたお饅頭がとてもおいしかったこと、第3新東京市駅のデパートで-40℃のショックという謳い文句につられて食べたアイスがすっごくおいしかったこと、荷物が片付かなくて夕食を外で食べたら定食屋の煮物が感動の渦を巻き起こすくらいおいしかったこと。 「くすくす…………ほんと、あなたって食べ物の話ばかりね」 からかうような、それでいてほっとしたような口調で意地悪に指摘するリツコの言葉に、ちょっとだけ頬を染めて言葉を切ったレイは、それでもめげることなく話し続ける。 環状線に乗ってみれば、フルオートコントロールで乗務員がいないのに驚いたこと、自動配送システムが珍しくて缶ジュース1ダースを1本ずつ配達してもらったこと、何よりも、夕方、地面からビルが生えてくるのに吃驚して圧倒されてしまったこと。 好奇心一杯に目を煌かせて喋り続けるレイの言葉にリツコは目を細めて聞き入っていた。 この子は誰が相手でも、本当に嬉しそうに話をする。生きることや、他人と接することにどれほど喜びを感じているか、ひしひしと伝わってくるくらい。生い立ちを考えれば、もっとひねててもいいのに、どうしてこの子はこんなに楽しそうに生きられるのかしら。 あんたたちってほんと、親子みたいね。ふと親友の言葉がリツコの脳裏をよぎる。あんたがレイを見る目って、初めて料理に挑戦する娘を見守る母親って感じよ。失礼ね。まだそんな年じゃないわよ。そう言って、怒ってみせたものの、妙にその言葉が気持ちよかったことを思い出す。いいことじゃない、あんたが幸せそうな顔してるのは私も嫌じゃないわ。私と母の確執を知る彼女はそう言って笑ってた。
「それにしても、加持先生、まだ来ないんですか?」 冗談なのか真面目なのか素直に返事をするレイ。とそこへ、ひどくお気楽なバリトンの声が届いた。
「リッちゃん、そいつはひどいな」 しらっと切り返すリツコ。レイが振り替えると長く伸ばした髪を後ろで縛った男が立っていた。多少崩れた着こなしのソフトスーツが板についているが、ちらほら残る無精髭がレイの目には少々怪しく映る。
「はじめまして。綾波……レイくんだったかな?」 微笑みを浮かべてレイに左手を差し出す。それを見たリツコが、さりげなく言い放った。 「加持君、握手だけならいいけど、この子を口説いちゃだめよ」 ずざざっ。恐る恐る手を差し出そうとしていたレイは、それを聞いて2メートルくらい引く。加持を見る視線に少しジト目が入っている。 「リ、リッちゃん、変なこと言わないでくれよ。この子が本気にしたらどうするんだ」 なぜかこめかみに汗を浮かべながらも前言の撤回を求めるが、 「あら、こないだ駅前でどう見ても中学生くらいの女の子と歩いてたって……」 すささっ。レイは完全にリツコの背後に隠れてしまう。もはや視線は完全に痴漢を見る目だ。
「いや、あれはうちのクラスの生徒で………」 やや泣きが入った表情で加持はリツコに懇願するが、リツコはちょっと小首を傾げるまねをすると、
「生徒に手を出した言い訳を?」 周りの教師が『また赤木先生の加持いびりが始まったな』といわんばかりの視線を向けてにやにや笑っている。 「懲りたのなら、少しは真面目にすることね。もちろん、転校生を待たしたりしちゃだめよ」
そう言ってリツコがにっこりと笑って見せたとき、朝のホームルームの始まりを告げるチャイムが鳴った。 伊吹マヤの朝は、ゆったりとしたミルクタイムで始まる。間違いではない。ミルクタイムである。 「コーヒーはお肌に悪いんですよ。特に25を過ぎると」 本当かどうかわからないが、彼女はそう信じている。もっとも彼女自身はまだ23なので、その論を信じるなら格別気を遣う必要もないはずだが、コーヒーを勧められるたびにこの自説を持ち出して、決して口にしようとしなかった。いい年をしてコーヒーが苦くて飲めないというお子様味覚の自分を弁護するための言い訳だと周りは思っているのだが、彼女は頑強にそれを否定する。そして、リツコを除く、知り合い全てにことあるごとにその信念を布教するのである。 ところで、リツコが例外なのには理由がある。マヤが敬愛してやまない先輩であり、また、彼女のコーヒー好きはつとに有名だったので真っ先に布教対象になりそうなものだったのだが、実際のところは、なんとなく遠慮してしまって言い出せないでいる日が続いていた。ところがある日、二人して徹夜でデータ処理を行わねばならなくなった時に、マヤは、リツコが立て続けに12杯コーヒーを飲み干すところを見てしまい、とうとう耐え切れずに言ってしまったのである。しかし、返ってきた返事が、 「それ、皮肉?」 という一言だけであった上に、まるで鋼でできているような視線に貫かれてすっかり縮み上がってしまい、なおかつ、「この口が言うのね、この口が」という台詞とともに極力思い出したくもない「謎のお折檻」をたっぷりと受けたのである。以来、マヤはリツコの前ではその信念お披露目を自主規制している。ちなみにどんな「お折檻」だったのかは、当事者二人が黙して語らないためまさに謎であるが、それ以来ますますマヤがリツコになついているので、一部ではあらぬ噂も流れているという。 閑話休題。そういう訳で、職場である第3新東京市立第1中学校の保健室へ到着すると、途中で買ってきた500ml、220円也のパックを開けてミルクを温め、それをゆっくりと嗜んでから、仕事にかかるのがマヤの日課になっていた。 「ふぅ」 小さく吐息をもらすと、窓の外に目を向ける。木々の緑が目に眩しい。マヤは、その生真面目な視線をもの言わぬ彼らに注いでいた。 「さすが信州酪農協会産ね…………メーカーものよりおいしい」
セカンドインパクト以来、落葉など見ることのできる季節がないため、植物の青さも昔ほど感慨を呼ぶものではない 「でもコクは十勝集合牧場の方が上かしら?」 何よりここは中学校である。弾けるような子供たちには、その力強い姿がよく似合う。 「でもどっちにしても母乳には負けるのよね………なんちゃって」 ……………………人が真面目にナレーションを入れとるのに、何惚けてる、こら。 カラカラ……入り口の引き戸が開かれる音があり、マヤはそちらを振り返った。
「あ、先輩! おはようございます!」 リツコはマヤの手元を見て、少し眉を上げると自席についた。
「なぁに、また牛乳?」 まったくこの子は……苦笑しながらリツコは言葉を繋ぐ。
「それより、レイが来たから忙しくなるわよ」 リツコの言葉に嬉しそうな表情でマヤは返事をするが、それも束の間。声を落としていかにもお伺いを立てるといった口調で、何度も確認したことをリツコに問うた。
「でも……ほんとにいいんですか? フォースとフィフスはまだデータの整理も終わってないんですよ。それで最終測定に入っても……」 普段なら仕事中の会話に現れるはずのない柔らかい口調がその言葉に含まれていることに気づき、マヤは一瞬言葉につまる。
「完璧を期したいという気持ちはわかるけど、それに割ける人も時間も資源も限りがあるでしょ」 少しの間。
「じゃあ、それ以外では?」 マヤを見つめるリツコの視線が心なしか意地の悪いものに見える。
「それ以外では……どうなの?」 まるで心が見透かされたような気がして、マヤの頬がほんのりと紅くなる。 「あ、な、な、なんでもないんです、なんでも! じゃ、できるだけ急いで分析を終わらせますね!」 慌ててコンソールに向かうと、マヤはキーボードを一心不乱にたたき始めた。リツコはそんなマヤをしばらくじっと見ていたが、やがて、マヤに気づかれないように本当にそっとため息をつくと、自分もコンソールに向かい、キーをタイプし始めた。 職員室からレイが転入するクラスの教室までは少し離れている。レイは、3メートル後ろを歩きながら、加持の背中を見て、どうして生徒に手を出すような人が教師を続けてられるんだろうと思っていた。
「本当にいいのかい?」 渡り廊下に差し掛かったところで、前を歩く加持が急に立ち止まってレイに声をかけた。
「後悔しないかい?」 不意にレイの表情が凍り付く。 「今ならまだ間に合うかも知れないよ」 加持の言葉はあくまで優しい。レイは顔を伏せてぽつりと言った。
「いいんです。仕事ですから」 既にあぶるような強さになっている日差しの中を弱々しく風が吹き抜ける。
「何より……」 レイはゆっくりと顔を上げて、加持の目を見た。
「私にとっては、大切な絆なんです」 加持がその言葉をどう捉えたか、レイにはわからない。だが、少なくともそこに込められた気持ちは伝わったようだった。
「…………わかった。すまなかったな、つまらないことを言って」 加持の指差した教室は、渡り廊下から校舎に入ってすぐのところで、彼が中へ入ると、間髪を置かず、凛とした声が響いた。 きりーつ! れい! 大丈夫だよ、レイ。恐いことなんかないよ。ね。 右手をきゅっと握り締めてレイは自分に言い聞かせる。 それより! 転校初日なんだから、しっかりやらないと! 第一印象で私が受け入れられるかどうか決まるんだから! がんばんのよ! 綾波レイ! 「男子諸君! 朗報だ!」 クラス委員長のヒカリの号令で挨拶をすませ、生徒たちが席に座るや否や、加持は身を乗り出すようにして話し出した。 「君たちにはもったいないほどの美少女が、今日このクラスに転校してきた!」 幾人かの女子がひそひそと私語を交わす声がする。男子は…………不気味なくらい静かに緊張している。 「それじゃあ、紹介しよう!」 と加持が告げたとたん、教室の入り口が静かに開いて、レイが俯き加減で入ってきた。その姿を見て、今度は明らかに先ほどとは異質な静けさが教室を覆う。 雰囲気に呑まれちゃだめよ。いつものことなんだから。慣れてるでしょ、レイ。最初だけ、最初だけ!……すぐに誰もそんな目で見なくなるから!…… レイは、教壇に立つ加持のそばで立ち止まると、やおら正面を向いてにっこりと笑い、よく通る声で自己紹介を始めた。 「綾波レイです! よろしくお願いしま~す!」 よぉし! まずはばっちし! 自分でもベストの部類に入ると思われる笑顔で名前を告げられたと判断したレイが、次の言葉を口にしようとしたとき……そのおぽんちで少々間の抜けた声が聞こえた。 「あ!……あぁ!」 レイが教室に入って来た時、シンジはアスカの様子を見ていた。別に見とれていたわけではない。「尻にしかれる」発言の後、どういうわけか言い合いになってしまい、すっかりへそを曲げてしまったアスカにおびえていたからだ。 どうしよう…………完全に怒ってる…… そういった言い合いは、いつものことと言えば、いつものことなのだが、だからと言ってけろっとして放っておけるほどシンジの立場は強いものでもなく、どうやってアスカの機嫌をとるか、そのシミュレーションで頭が一杯になっていた。もちろん、学校からの帰り道にある甘味処でお汁粉2杯と餡蜜2杯、和三盆を使った「雪下」というお菓子を3つ奢ればなんとかなるといういつもの解決法はある。だが、今は小遣い前で、財政的にその手が封じられているのだった。 アスカはアスカで、転校生のことをシンジが嬉しそうに話すのにムッとしていたところへパンツ覗き事件ですっかりおかんむりになっていた。そこへ言い合いが加わったものだからあからさまに不機嫌な顔をしている。 なによ! 7歳の時は私のパンツ姿を見ても赤くなんかならなかったくせに! …………どうも怒りの方向がズレているような気がするが、ともかく怒っていて転校生どころではなかった。 そこへ転校生の自己紹介の声が聞こえ、改めて教壇の方を向いたシンジが、素っ頓狂な声を上げたのである。 「あぁ! あんた、さっきのパンツ覗き魔!」 な! なんてこと言うんだよ! なんてことをシンジは言ったりしないし、考えもしなかった。ただレイの顔を見て呆然としている。夢で見たあの少女と瓜二つなその顔を。 「ちょっと! 言いがかりはやめてよ! あんたが勝手に見せたんでしょ!」 そこへ思わぬ方向から援軍が来た。いきなりアスカが立ち上がったかと思うと、噛み付かんばかりの勢いでそう怒鳴ったのである。 「なになにぃ~? むきになってその子のことかばっちゃってさ! できてるわけ? あんたたち?」 いきなりそう切り返されたので、焦るアスカ。 「た、ただの幼馴染よ!」 なぜか顔が赤い。それを見て、ニヤリと人の悪そうな笑みを浮かべるレイ。
「ふぅ~ん。なぁんで『ただ』の幼馴染が横から口をはさむかなぁ?」 アスカの顔が、さらに朱に染まる。すわ形勢不利と見たか、今度はアスカに対して援軍が登場する。 「ちょっと! 授業中よ! 静かにして下さい!」 クラス委員長にして、アスカの親友、洞木ヒカリである。だが、 「ああ、構わん構わん。こういう誤解は早めに解いた方がいいからな。続けて続けて」 加持がにやにやと笑いながら言い放つ。担任教師の裏切りで呆然とするヒカリを余所に、レイの追撃は続く。
「どぉでもいいことぉ~?」 このままではいいように押し切られてしまうと見たアスカが、二人の顔を見比べてオロオロしてるばかりのシンジを振り返る。
「シンジ! あんたも何とか言いなさいよ!」 狼狽えるシンジ。迫るアスカ。何かに驚いたように改めてシンジの顔を見詰めるレイ。
「何言ってんのよ! 元はと言えば、あんたが原因なんでしょ!」 レイが、いきなりズカズカと教壇を降りてシンジに近寄っていく。完璧にアスカを無視している。 「あ、あんた何してんのよ!」 やはりレイは無視。じっとシンジの顔を見つめる。その距離、わずか30cmなのだが、シンジの方はますます険悪な表情になっていくアスカに気をとられて気がついていない。もはや呆気に取られてクラス中が沈黙する中、レイの顔に驚きが広がる。
「碇…………碇……シンジ……」 完全に頭にきたアスカがすぐそばで怒鳴ったとき、レイは微かに瞳を潤ませてぽつりと呟いた。 「シンちゃん…………」え? と思わずレイの顔を見つめるシンジ。期せずして二人は互いを見つめ合うことになってしまった。 ルビーを思わせる澄んだ深紅の瞳。本当に吸い込まれそうなくらい綺麗な目…… 「……何見つめ合ってんのよ」 怒りに肩をぶるぶると震わせてアスカが割り込もうとするが、二人は互いの視線で絡め取られてしまったかのように見詰め合ったまま微動だにしない。
「やっぱりシンちゃんだ…………どうしてわかんなかったんだろ…………」 ふいにレイの頬を涙が零れ落ちる。それまでにやにやして見ているだけだった加持も、ただごとならぬレイの様子に少し心配そうな表情になる。 「シンちゃんだ……シンちゃんだ……シンちゃんだ!」「え? ど、どうして僕の……?」 「シンちゃぁぁぁぁぁん! 会いたかったよぉ!」 「え!…………ええっ!?」 レイがぽろぽろと泣きながらシンジに抱きついた。まるでセカンドインパクト前のドラマのような展開に唖然とするばかりのクラスメートたち。 意表を突かれた展開に、さすがのアスカも呆然とするしかない中、1時間目の授業の始まりを示すチャイムが鳴り、波乱のホームルームは幕を閉じた。 |