The story of a certain boyish girl.

いずみと龍之介の物語♪

Episode on St.B

…D-Part…




「いってらっしゃいませ」
「いっへひま……ほわぁ〜〜〜〜」

  ほよ……香織の家から帰って、また夜なべしてしまった。だいぶマフラーらしくなっ
てきたけど、完成にはほど遠い。ほんとにできるんだろうか?

「ほひょほひょ――ふわ〜〜〜〜」

  潮風が気持ちいい……なんだか地面が揺れてる……ああ――いい気持ち……




















  はっ!?

  あ、あれ? なんで他人の家の塀によりかかってたり……げっ。ひょっとして、私、
寝てた?

「ちょっと無理し過ぎかもしれない――」

  でもさ、マフラーとケーキ渡したら、龍之介が喜んでくれるような気がするし、そし
たらさ、何だか居ても立ってもいられないし。

「ここが頑張り時かな」

  そしたらさ、そしたら……えへへ。

「それにしても――ねむ――ほわ〜〜〜〜〜〜」

  もう欠伸が止まんない。確実に授業中は寝てしまいそうだ……まあ、この時期、消化
試合みたいなもんで、聞いてても聞いてなくてもどっちでもいいような内容ではあるん
だけど、

「みっともないし……ふわ〜〜〜〜」

  ああ――途中で寝ちゃったから、遅刻ぎりぎりなのに、走る元気がない……

「ふわ――ふわぁぁ〜〜〜〜」

  目ぇ開けてるのも辛いよぅ……なんだか……このまま…………



























































「あれ?」

  気がついたらベッドに寝てた。なんで?

「こ、ここどこ?」

  横になったまま辺りを見回すと、安っぽいスチール机に薬品棚……何となく、学校の
保健室に似てる部屋だけど……

「確か、学校に行く途中だったはずなんだけど――?」

  随分と静かだし。と思ったら、いきなりチャイムが鳴った。

「おわっ!――ってやっぱり学校っ!? でもなんで?」

  ひょっとして、寝ながら学校まで歩いたとか?――ってそれじゃあ夢遊病だよ。

「さ、さっぱりわからない――?」

  がやがやとした喧燥が聞こえてきた。授業が終わったんだ。と、遠くから誰かが廊下
を走ってる音がして――それがだんだん近づいてきて、

「いずみっ!」

  いきなり扉が開いて、龍之介が飛び込んできた。

「りゅ!――龍之介!?」
「よかった――! 目を覚ましたんだな!」
「う、うん」

  なんか……わけわかんない。

「驚いたんだからな! お前、通学路で倒れてたんだぞ」
「へ?」

  私が? なんで――――ああっ! また寝ちゃったんだ! 私。

「――龍之介が運んでくれたのか?」
「ま、まあ。そうだけど。どっか具合が悪いとこはないか?」
「え? あ、うん」

  しゃがみこんで寝てたなんて――ちょっと――

「あ、こら。毛布に潜り込むなよ」
「…………恥ずかしい……」
「はあ?」

  恥ずかしいじゃないか。

「保健のセンセイは、ただの寝不足だって言ってたけど、ホントに何ともないのか?」
「うん……ごめん。心配かけて」
「いや、それはいいけど――じゃ、ホントに寝不足か?」
「うん……」

  龍之介が、呆れたようにため息をつくのが聞こえた。

「一体、何やってたんだ?」
「何って――?」
「昨夜だよ。寝てないんだろ?」
「う、うん……」
「道端でぐーすか寝ちまうくらい疲れてんだぜ? 何やってるんだよ?」
「た、大したことじゃないよ」
「いずみ」

  う…………いつになくマジな龍之介の声……

「何か心配ごとでもあるのか?」
「そ、そんなのない……」

  マフラーがうまく編めなくて徹夜しました――なんて――恥ずかしすぎて言えない。
から、顔を見られないように、毛布をすっぽり頭にかぶった。

「そ、それともお前――」
「?」
「…………」
「何?」
「…………なんでもねえ」

  なんだろ? 何となく気まずい雰囲気がしたけど。それに――声がちょっと怖い。

「最近、お前変だぞ?」
「そ、そんなことない――」
「いいや、変だ。大体、ここんとこ、昼休みにはこそこそどっか行っちまうし」

  あれは――みのりに編み物を教えてもらって――

「休みに誘っても断られるし」

  そ、そりゃ、バレンタインのプレ――

「唯や友美は知らないみたいだし、香織ちゃんに聞いたら――」

  香織に?

「なんだか深刻そうな顔で『龍之介君は……知らない方がいい……』って暗い声で言う
  だけで、何やってんのか教えてくれないしな」

  いかにも誤解されそうな言い方をしてぇっ! 香織のやつ――昨日助けなかったのを
根に持ってるな。

「ほんと、何やってんだよ?」
「何って……」

  い、言えないよ……プレゼント作ってて徹夜したからだって言ったら……龍之介、怒
るし。

「べ、別に何も……」
「いずみ!」

  びくっ!――

「……………………」
「言えないことか?」
「……いや、そういうんじゃないけど……」
「じゃあ何だ?」
「それは…………」
「……………………」
「……………………」
「……………………」
「……………………」
「…………わかった。もういい」

  え?

「もう聞かねえよ」

  龍之介?

「別に俺に教えなきゃいけない義理なんかないもんな」
「それって――?」
「言いたくないならもういい。何も言わねぇから、勝手に何でもやってろ!」

  う、うそ……怒ったのか?

「龍之介――!」

  顔を出して声をかけようとしたら、苛立たしげな龍之介の背中と、派手な音を立てて
閉まる扉が見えた。

「龍之介?」

  怒った……龍之介が怒った……内緒にして教えないから、龍之介が怒った…………

「〜〜〜〜〜〜〜〜!」

  違うよぉ。違うんだよぉ。内緒にして――それで驚かそうって――それに――止めろ
って言って欲しくなくて……それだけ……なん……

「ひっく……えぐっ……ひっく」

  なのに――!

  からからと扉の開く音がした――けどどうでもよかった。

「いずみちゃん、いる?」
「ひぐ――えぐっ――ひっく――うっく」
「いずみちゃん!?」

  唯の声――でも――

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁんんんっっっ!」

  やだよ、やだよぉ。そんなんじゃないんだよぉ。そんなんじゃ――っ! 龍之介――

「いずみちゃん!? どうしたの? どっか痛いの!?」
「うわぁ〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!」

  違うの――違うんだ――


「あぐ――ひっく――えぐ――ひっく――えぐっ――」
「いずみちゃん、もう泣かないで」
「ひっく――ひっく――」
「いずみちゃん……」
「ひっく――えぐ――えぐ――」
「大体、なんでそれくらいで龍之介が怒るのよ!」
「ちょっと幻滅ですぅ」
「随分心配されてましたから」
「だから何なのよっ! だからいずみを泣かせていいって言うのっ!?」
「ひっく――ひっく――うぐっ――ひっく――」
「そうは言いませんけど……」

  涙が止まらないよぉ……ひっく――ひっく――

「でも……ほんとにすごく心配してたんだよ」

  唯の言う通りだ。でも私が何も言わなかったから――

「当たり前でしょっ! でなかったらただ身勝手なだけじゃない!!」

  龍之介を――ひっく――お、怒らないでよ、かおりぃ――

「ひっく――えぐっ――ひっく――」
「大丈夫ですよ、篠原さん。龍之介さん、ほっとして気が緩んでそれで思ってもいない
  ことを口走っただけですよ」

  違うよ――違うよ、みのり……私が、私がいけないんだ――ひっく――

「先輩、元気を出して下さい」

  ごめん、ごめんね、春奈。でも、でもどうしても止まんなくて――

「えぐっ――ひっく――うぐっ――ひっく――ひっく――」
「で、あのぶぁかはどこほっつき歩いてるのよっ!」
「探したんだけど――」
「どこにもいらっしゃらないんですよ」
「ひっく――ひっく――」
「まさか、いずみをほったらかして帰ったんじゃないでしょうね!!!」
「そ、それは何とも……」

  ……………………

「ごめんね、いずみちゃん。唯が余計なこと言ったから」
「ひっく――ゆ、唯のせいじゃ――ひっく――ない――」
「……ほんとは、意地悪したかっただけかも知れないの」
「ひっく――えぐっ――」
「あんまり嬉しそうだったから、いずみちゃんが苦手なの知ってて――」
「ひっく――ひっく――」
「ごめんね――ごめんね……」

  涙が止まらなくて、顔を上げられなくて――首を振ったけど――

「ちょっと、鳴沢さん。あなたまで暗くなっても仕方ないでしょ?」
「うん……」
「それに、それとこれとは関係ないの。あんのバカ、どうしてくれよう」
「ふう。取りあえず、龍之介先輩にちゃんと説明しないといけないですね」
「駄目よ」
「どうしてですか? 渚先輩?」
「それでいずみがごめんして、龍之介が謝ってメデタシメデタシなんて安直なことは、
  この私が許さないからよ」
「あの、この際、渚さんの都合は置いといて――」
「私の都合じゃないのっ! いい?! 今回はそれでいいとしても、このままだったら、
  今後同じようなことがあっても、またいずみが泣かなくちゃいけないのよ! 駄目よ!
  そんなの絶対駄目っ!!」
「渚さん……」
「何がなんでもあのぶぁかに落とし前付けさせるのっ!」
「だ、だめだよ――ひっく――」
「いずみっ!」

  びくっ――

「ひっく――怒らない――ひっく――でよ――」
「怒ってないわよ」
「お、怒ってる――えぐっ――よ――」
「怒ってないよ。でもね、私は許せないの。んな女がいつでも都合がいいなんて思って
  る男は許せないだけ」
「それはそうかもしれませんけど……」
「なに? 加藤さん?」
「篠原さんの気持ちもわかりますけど……でも、龍之介さんが怒る気持ちも何となくわ
  かるような気がするんです」
「何で?」
「それは――その、なんて云うか、心配して心配して、でもそれがただの寝不足だって
  わかったら、ほっとするっていうか、逆に慌ててた自分が馬鹿みたいに思えてくると
  思うんです」
「――で?」
「それで、何があったのかも教えてもらえないと――なんだか自分ひとりが騒いでるみ
  たいで居心地が悪いというか」
「――で?」
「……その――八つ当たりしたくなるというか――」
「そうよっ! 八つ当たりよっ!」
「あの――?」
「あの『ぶわか』が誰に八つ当たりしようと勝手だけどねっ! いずみにしたのが腹立
  つのよっ!!」
「はぁ。それは、わかりますが……」
「ちょっと鳴沢さんっ!」
「は、はい!」
「あの『ぶぁか』に言っといて! きぃっちり落とし前はつけてもらうからねっ!」
「はぁ――」
「明日、話があるから、弓道場に来るよう言っといて!」
「えぐっ――駄目――ひっく――だよ――」
「いずみ?」

  駄目だよ、香織。

「駄目だよ――ひっく――そんなことしちゃ――ぐすっ」
「でも――!」
「ひっく――頼むよ」
「……でもね」
「龍之介は――えぐっ――悪くない――ひっく――んだ」
「…………」
「香織――ぐすっ」
「……わかったわよ」

  よかった。

「ありがと――ひっく――」
「馬鹿よ、あんた」
「うん――ぐしゅっ」
「こんなことくらいで八つ当たりするようなつまんない男に引っかかって」
「そんなこと――ひっく――ないよ――」
「はいはい。全く」

  呆れたように香織がため息をつくと、下校のチャイムが鳴った。私たちの他には誰も
いなくなった教室に夕陽が差し込んでる。ふと気がつくと、唯以上に浮かない顔をして
るみのりの髪が光に染まって、とても綺麗だった。

  みのりが浮かない顔をしてる理由は――


「こ、これでいいのかな?」
「そうです」
「ええと」

  あれからそれでも頑張って、なんとかマフラーは仕上げられそうなところまで来た。
で、今日はみのりの家で最後の仕上げ。

「後は……」
「そこを結んで――」
「こう――かな?」
「そうです」

  ちょっと集中――

「……と……これで」
「はい。出来上がりです」

  えへへ――えへへへ。

「できた」
「初めてなのに、綺麗にできましたね」
「そ、そう?」
「ええ」

  そうかぁ――よかった。なんか、龍之介にあげるのが勿体無くなってくる。えへへ。

「ありがとう、みのり。本当に助かったよ。みのりが手伝ってくれなかったら、絶対で
  きなかったし」
「そ、そんなことないです。篠原さん、一生懸命だったし」
「そんなことないよ。みのりのおかげだよ」

  本当に感謝してるんだ。別に親しいわけでもなかったのに、声かけてくれて、毎日手
伝ってくれて。

「あの、篠原さん」
「なに?」
「その……龍之介さんとは仲直りしました?」
「えと……」

  何となく言いにくいけど――

「はは。龍之介があれから口きいてくれなくてさ」
「篠原さん……」
「あ、心配しなくても大丈夫。龍之介って案外あっさりしてるから」
「…………」
「や、やだなぁ。大丈夫だって。そんな顔しないでくれよ。そのうち、機嫌直してくれ
  るだろうし。それに、アイツと喧嘩なんか、今に始まったことじゃないだろ?」
「それは……確かに篠原さんと龍之介さんの喧嘩は何度も見てますけど――でもあの時
  とは違います」
「一緒だよ。大丈夫、大丈夫、心配すんなって」
「でも……」

  でも――さ――口きいてくれないのは――はじめてなんだ――


  龍之介は、朝遅刻ぎりぎりで来るし、休憩時間には、ぷいっとどこかへ行ってしまう
ので、お昼くらいしか話をする時間がない。でも……

「りゅ、龍之介」

  授業が終わってすぐに声をかけたんだけど、あいつはつまらなそうに私を見て何も
言わない。

「あ、あのさ。よかったらお昼一緒に――」
「おい、あきら! メシ食わねえか!」
「…………」

  だけじゃなく――無視された。

「〜〜〜〜〜〜〜〜っ」

  辛かった……泣きそうだったけど……我慢した……当てこすりみたいに思われるのが
嫌だったから。

「お兄ちゃんっ!!」
「何だよ。学校では――」
「どういうつもりなの!?」
「あのな、唯――」
「返事もしないのに、気安く呼ばないでよっ!」
「…………」
「いずみちゃんが可哀相でしょ!? 何いつまでも怒ってるのよ!!」
「――唯には関係ない」
「関係ないことないよ! あれじゃあ、まるで――」
「うるせぇっ!!」

  龍之介はまるで言い捨てるかのようにそう言うと、教室を出ていった。あれから、唯
と龍之介も何かぎくしゃくしてる。多分、家でも何かあったんだと思う。


  放課後、帰るときも――

「あの、龍之介……」
「…………」
「話――があるんだけど、一緒に――」
「何も聞かないって言っただろ?」
「……あ、あのさ」
「聞きたくない」
「龍之介……」

  どうすればいいかわからない。何て言えばいいかわからない。こんなに途方に暮れた
ことはなかった。

「ちょっと、そこのぶわぁか」
「何だよ」
「あんた何様のつもり?」
「うるせえな。関係ないだろ」
「大有りよ。大体ねぇ、あれくらいのことで――」
「説教なら聞く気はないからな」
「むきぃぃぃぃ! 何よ! その横柄な態度はっ!」
「か、香織――いいよ、いいから」
「駄目よっ! この『ぶぁか』はきっちし言って聞かせないと駄目なのよ!」

  龍之介がうんざりした顔で教室を出ていこうとすると、

「こら! どこ行くのよっ! 話はまだ終わってないのよ!」
「俺の方には、話なんかないからな」

  それだけ言って、さっさと出ていってしまった。

「かぁぁぁぁぁっ! 何よあれっ!」

  仕方ないよ。私が悪いんだから――


  夜、電話しても――

『RRRRRRR――RRRRRRR――RRRRRRR――カチャ』
「もしもし?」
『…………』
「龍之介? お願いだよ。話が――」
『カチャッ――ツーッ――ツーッ――』
「…………ぐすっ――ひっく」

  あの時は…………我慢できなかった。誰もいなかったし――声も聞きたくないんだと
わかったから――


  取りあえずマフラーは完成したし、夜も遅くなってたので、帰ることにした。

「ごめんな。夜遅くまで」
「気にしないで下さい。その――友達を家に呼ぶのって私はじめてで――嬉しかったん
  ですから」
「みのり……」

  教室で誰かと仲良くしてるとこなんか見たことなかったけど、そうなんだ……

「あのさ、お願いがあるんだけど」
「はい? 何でも言って下さい」
「いつまでも『篠原さん』じゃ落ち着かないから、これからは『いずみ』って読んでく
  れないかな?」
「でも……」
「私さ、友達にはそう読んでもらうことにしてるんだ。だから、な?」
「友達……でも……」
「さっき言ったじゃないか。『友達』を家に呼ぶのははじめてだって」
「あ……」

  ちょっと言うのが遅すぎたけど、いいよね。

「……ありがとうございます。でも……」
「あら、お帰り?」
「あ、お邪魔しました」
「また来て下さいね」
「はい。是非またお邪魔させて下さい」

  みのりのお母さんは、見るからに優しそうな人で、みのりによく似て綺麗だった。

「あ、篠原さん、ちょっと待ってて下さいね」
「え?」

  みのりは、なんだか慌てて部屋に戻っていった。

「いずみでいいって言ったのに」
「あの、篠原さんでしたっけ」
「はい」
「これからもみのりと仲良くしてやって下さいね」
「はい」

  まるで、幼稚園か小学生の子供に言うようなことだけど、多分、本当に友達が一人も
いなかったから、だから、心配してお母さんはそう言うんだと思った。母子二人暮らし
で、仲のいい親戚もいないって言ってたから、ずっとお母さんは気にしてたんだ。

「そういえば。マフラーはできました?」
「あ、はい」
「あの子、ちゃんと教えてたかしら?」
「はい。おかげで随分助かりました」
「ならいいんだけど」

  お母さんは、ふふっと笑った。

「あの子も何か編んでたようだけど、篠原さん何か知ってる?」
「ええ。お母さんに何か編んであげるって言ってましたよ」
「そうなの?……変ねぇ。男物のような気がしたんだけど……」
「篠原さん、ごめんなさい」
「え?」

  見れば、みのりが何か本を持ってきていた。

「これ、アップサイドダウンケーキの作り方が詳しく載ってるんです。参考にして下さ
  い」
「ありがとう。でも、『篠原さん』じゃなくて『いずみ』って読んで欲しいって言った
  はずだよ?」
「あ……」
「友達――だよね?」
「はい、あの――いずみさん」
「ありがと。じゃ、おやすみ」
「おやすみなさい」

  みのりもみのりのお母さんも、にっこり笑って見送ってくれた。外に出ると、珍しい
ことに風もなく、シンとしていたけど、なぜか背筋が凍るように寒くて、ガタガタ震え
ながら家に帰った。



《 E-Partへ続く 》
《 C-Partへ戻る 》
戻る